やっとここまできたのに ~過渡期犠牲者の想い~

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お早うございます!

 

地方プロダクション所属の時こんな話を耳にした。

芸能事務所では 映画、CM、ドラマ等各種芸能関係の出演応募案件を持っており、

タレントと呼ばれる月謝を支払いながら演技等のスキルを学ぶ生徒を抱え、

この月謝売上げが主な収入源となっている。

事務所が有望と認めた生徒に各案件を紹介しオーディションを受けさせる。

使われれば芸能人として一つステップを踏み出したと言えなくもない。

私と同じクラスにいた清楚で可愛らしい女の子が東京のオーディションに行ったらしい。

彼女はオーディション運営担当者から呼ばれ、合格を知らされた。

案内され或る部屋に入ると、この案件に於ける権限を持つ方を紹介され、

「では私は失礼しますのであとはあなた次第です。」

と言い残したまま担当者は去り二人きりにされた。

彼女は怖くなって話を断り帰宅した・・・

 

芸能人の習わしで、有名になった芸能人は、

自分の傘下にいる=日常の付き合いが深い 若手若しくは無名芸能人を優先して使う

という文化が長年に渡って存在し続けている。

無名から有名になる過程で、

先輩芸能人や有名プロデューサーから誘われるよう気に入られ、

誘われるようになったら少しずつ彼らの息がかかった仕事のおこぼれにあずかれる。

ここから幾多の芸能関係者や一般人の目に留まることで大きな仕事が頂ける可能性が出てくる。

駆け出しの頃にこうしたお付き合いを断ろうものなら、

実力のあるなしに関わらず、

亡き者として抹殺されかねない=出番を与えられない=芸能界で生きていけない。

 

「おい、付き合えよ。こんでもええけど二度と誘わんで。」

 

という決めゼリフに新人芸能人は選択の余地が無い。

この期間が長ければ十年、二十年と続く。

この間はオーディションの時間がとれるよう正社員希望はせず、

アルバイトしながら、オーディションに落ちまくりながら、

時に個人的に頼まれた営業を請け負い生活の足しにした。

中には羽振りの良い人から「おひねり」の延長で高額なギャラをくれる方もいた。

暴力団の幹部ともなれば昔は有名芸能人との繋がりを持つ者もいたりして、

個人の間では何ら害を与えられることもないどころかむしろ好意的だった為

芸能界を登る道の一つとして大事にした。

この流れはほぼ蔓延しており、

事務所が全く知らないなどということは到底考えられない。

※ ここ迄の記述が「全く違う」と言いきれる芸能事務所があれば教えて頂きたい。

 

この芸能界に確実に存在してきた画一的なトップダウンの

所属芸能事務所外に存在するピラミッド階級制度は、

裏切りを絶対に許さない文化をも守り続けてきた。

有名プロデューサー、著名な監督、ややもすると各地地元有力者、

そして先輩芸能人のお付き合いを断った場合、

今後の仕事のおこぼれにもあずかれない可能性が極めて高くなる。

 

芸能界は ”コネ” の世界である。

※ 勿論無条件に大枚をはたく方はこの範疇に無い。

 

これは誰も否定しない周知の事実である。

今回の大手芸能事務所所属芸能人のコンプライアンス抵触問題について、

 

口ごもる周囲の芸能人達

 

はきっと上記環境を背負っている、又はきた。

 

だってそういう環境を強いられてきたんだもん!!

何十年も我慢してここまで来たんだもん!!

今更突然コンプライアンス守らんとクビだなんて言われたって

全部関係を切ったら仕事もこなくなるもん!!

何十年もの積み重ねが全部パァだもん!!!

 

そんな声が聴こえてくる。

「私だって・・・今正論を吐けばきっと自分に返ってくる。」

そう思い当たるからズバズバ言えないのである。

 

芸能事務所には上記歴史を踏まえ、以下を問いたい。

・今迄当たり前に推し進めてきた環境が今の芸能人を生んできたことを認識しているか?

※ 芸能事務所が提示する「実力次第」の実力には「付き合いで気に入られる能力/努力」

が含まれてきたことを芸能事務所は言い逃れてはならない。

・上記歴史の中で我慢に我慢を重ねた所属芸能人に

彼らが積み上げてきたコネに等しいメディア露出機会を与えているか?

・対警察機関向け条項整備の前に!

労働基準監督署に堂々と提示出来るだけの契約(雇用)システムは構築したか?

※ 一般民間企業に対する最低賃金のベアが年々行われている社会情勢に合わせた

契約条項の見直し改定は必須である。

コンプライアンスだけを強いて相変わらずこれまでの報酬体制を固辞しているならば

社会通念上不当と言われても仕方がない。

この追求を逃れる為に経営陣以外はほぼ「個人事業主」とする契約が多いと思うが、

法外に安価なギャラ設定を旧態依然とするならばコンプライアンスを語る資格は無い。

・こうしたシステム(制度)への異を唱えることの出来る部署は創設したか?

※ 今尚異を唱える者は本音を隠した圧力で淘汰するパワハラがまかり通る業界ではないのか?

 

業界文化、環境の中でグッとこらえて自身のプライベートを犠牲にしながら構築してきた

立場を一気に破綻へと追い込みかねない(言い方は悪いが自己否定とも捉えられかねない)

芸能事務所のコンプライアンス遵守宣言は、上記歴史に存在する

ピラミッドをも責任をもって崩壊させることをセットで行わなければならない。

芸能事務所は今更「嫌なら辞めればいい。」などと無責任に言い放ってはならない。

コンプライアンスの部分だけを一般民間企業と足並みを揃えながら優良企業を装い、

その他所属芸能人に不利益な部分は相変わらず「独特な業界だから」などと強いる姿は、

コンサルタント目線から見て誠に見苦しく、

言いたくても言えない芸能人達の悔しさが我がごとのようにこみ上げてくる・・・

 

2019.06.26. (Wed.)

 

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